最適化一口話

仕事として数理最適化を実践している立場から、その中身や可能性について概説しております。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「最適化」のち「数理計画法」再び「最適化」

「最適化」という言葉を Web で探すと スマホ最適化、ディスク最適化、画像最適化・・ といった感じのものがひっかかってきます。 「今よりも良い状態」を実現する手段といったニュアンスですね。 じつは学術的な数理最適化の分野の「最適」はもっと杓子定規…

空白セルの圧迫と「ルール」の力

「一筆書き」のように、 答を見せられれば正しいかどうかはすぐにわかるけれど、 「白紙」の状態からそれを見つけるのはかなり難しい、 というタイプの問題は世の中には数多くあります。 数学的な話で有名なのは大きな数の素因数分解ですが、 ここまで抽象的…

「実行不可能」との戦い

「メンバーは5人、勤務は日勤と夜勤の二種類しかありません」 今、小さな病院の担当の方に勤務シフト作りについて伺っています。 「毎日日勤は2人、夜勤は1人は必要です。夜勤空けは休み。それとは別に各人週に1日は休みを入れ、夜勤の担当回数は週あたり1日…

「ない」ことを示す功罪

厳密に言おうとすると、答えが「ある」ということより「ない」ということの方が難しい。 「ある」ことは答を一個見つけてくればよいのに対して「ない」は網羅的に確認する必要があるから。そういえばあのフェルマーの大定理やリーマン予想もこのタイプの命題…

最適化で何が実現できるのか(3)

判断材料を増やす 例えばスマートフォンを買うとして、契約プランの決定をする段になったとしましょう。 「利用量が 1G を超えないのならば基本料金お安め従量制のこのプランでしょうかね。 けど沢山使う方でしたらちょっと高いけど定額の契約もこんなにお得…